出雲国の開拓
昔々、出雲の国ができたばかりの頃、創造神八束水臣津野命(ヤツカミズオミツノミコト)は出雲の国を見渡し、「出雲の国は、幅の狭い布のように小さな国だ。どこかの国を縫いつけ、大きくしよう」とお思いになりました。
どこかに余った土地はないかと海の向こうを眺めると、新羅(現在の朝鮮半島南東部)に余った土地がありました。そこで、ミコトは大きな鍬をぐさりと打ち込み、魚の身を裂いて切り分けるように新羅の土地を切り離しました。
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多彩な自然美で知られる景勝地「三瓶山」。
「出雲国風土記」によれば、三瓶山は古名を「佐比賣山(さひめやま)」といい、
出雲の国誕生の舞台として古代より崇められてきました。
ここでは三瓶エリアのシンボル「三瓶山」にまつわる
一つの物語をご紹介いたします。
今から1300年ほど昔の天平時代、時の朝廷は全国の産物や地名の由来、
風俗などを調査するため、全国各地に風土記の作成を命じました。
中でも「出雲国風土記」は、唯一ほぼ完全な姿で写し伝えられ、
冒頭には壮大なる国土創生物語「国引き神話」が残されています。
そこに登場するのが「佐比賣山(さひめやま)」こと「三瓶山」です。
住所 島根県出雲市西園町上長浜4258
国引き神話の主人公 八束水臣津野命を祀り、開国の神、産業の神として、また国土を守護される産土神として崇め敬われてきました。綱引きの祖=スポーツの神、縁結びの神としても知られています。
住所 島根県大田市大森町
石見銀山龍源寺間歩近くの神社で、大国主命が農業の事始めを行ったこと、また、国引き神話の杭となったことから、新しくことを始める、あるいは縁を引き寄せる神としてのご利益があると言われています。
住所 島根県出雲市大社町杵築北稲佐
国引き神話に登場する綱「薗の長浜」で知られる砂丘海岸です。島根半島最西端にあり、日没の夕日が特に美しいと言われています。毎年旧暦10月の神在月には八百万の神々をお迎えする神事が執り行われます。
当館の名は「国引き神話」で八束水臣津野命(ヤツカミズオミツノノミコト)が
綱をかけた山「佐毘売山(さひめやま)」にちなんで名付けられました。
手つかずの自然が残り、四季折々美しい姿を見せる三瓶山。
壮大な自然の神秘を体感しに、ぜひお越しください。